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認知症高齢者の問題は日常生活での不自由や病気に悩んでいる障がいのある方とは共通している部分があります。若年性認知症は別としても今後、認知症高齢者が増加すると予想されているので国は対策に追われています。

老後の悩みは病気だけではなく加齢による身体機能の低下など要介護になった場合の費用、住まい、相続、遺言など終活問題が山積しております。成年後見制度は老後の問題・終活問題を解決するための重要な手段の一つとも言えます。

介護保険制度の発足はこれまでの福祉政策が措置から契約へ移行したので、判断能力不十分な方に代わって契約を締結できるように家庭裁判所が後見人を選任できるようにしたものです。

認知症、知的障害、精神障害、発達障害などのより物事を判断する能力が不十分な方について、権利を守る後見人を選ぶことで法律的に本人をサポートする制度です。

虐待や悪質商法、特殊詐欺の防止など家庭裁判所の関与ある成年後見制度は法令に守られている反面、利用しずらい部分、改善が求められている点があるのも事実です。国も利用率向上のため成年後見制度の利用促進を図っています。

後発組である社会保険労務士がなぜ成年後見制度に関与するのでしょうか。理由は、障害年金を含む公的年金、高齢者福祉サービス、介護保険サービス・障がい者福祉サービス、生活保護サービスなど社会保障のプロとして知識、知見を社労士へ期待されているからです。

老後の悩みである終活問題の解決に少しでもサポート出来れば、成年後見制度の利用と相俟って、皆様の長い老後をいきいきと過ごせるものと確信しております。

あさか支部長　田代嘉男